「もう40分も待ってんのやぞ!いつまで待たせるんや!」
平日の正午頃、とあるラーメン屋で男性の怒鳴り声が上がる。
どうやら順番待ちの時間が長すぎて、しびれを切らしたようだ。
あの男性はきっと知らない。
この世にはdアニメやPrimeVideoという素晴らしいサブスクリプションサービスがあることを。
40分?
それだけあればアニメが2本も見られるではないか。
逆に、2本も見たら3本目が気になって、最早ラーメンなどどうでもよくなる可能性すらある。
世界の争いは、概ねアニメが解決してくれる。
私はそう思っている。
一触即発の店内。
凍り付く雰囲気を意に介さず、私が熱中していたアニメは「僕のヒーローアカデミア」だ。
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ということで、今回も前回に続き「僕のヒーローアカデミア」の主人公、デク君こと緑谷出久君の魅力について紹介していきたいと思います。
今回は、彼が応援せずにはいられない男であること、私がデク君のことを史上最高の主人公であると考えているということ、そしてその理由についての記述です。
この記述を読んで、少しでもデク君素敵!と思っていただけたなら、是非アニメ版1期~6期を一気見していただければと思います。
それでは、よろしくお願いいたします。
目次
どうしてデク君を応援せずにはいられないのか
前回の記述の中で、私はデク君のことを一言で表せば「真面目で頭脳派な、のび太君」という風に言いました。
そして、のび太君が怠け者で、お勉強が苦手という愛すべき短所を持ち合わせているからこそ、私達はのび太君のことが大好きなのであり、欠点を克服してしまったのび太君など、最早できすぎ君であり、今までのように応援することはできないということも言いました。
それでは何故、私は真面目で、頭脳派になってしまったのび太君であるところのデク君のことが、こんなにも大好きなのか?
まずはその理由について述べていきます。
〇抱えてきたコンプレックス
デク君を応援せずにはいられない理由の最も大きな部分が「コンプレックス」です。
人は誰しも何かしらのコンプレックスを抱えているものではないでしょうか?
私も他人と会話をすることがとても苦手で、周囲の皆が普通にコミュニケーションを取り合えているのに、どうして自分は同じようにできないのだろうと、いらぬ劣等感に苛まれたりすることもあります。
デク君も同じです。
「個性」と呼ばれる特異的な能力を持っていることが当たり前の世界で、何の「個性」も持っておらず、周囲からバカにされされながら育ったという過去の持ち主です。
デク君は「個性」を持たずしてなることは難しいであろう「ヒーロー」という職業に憧れ、ずっと独自でヒーローの研究を続けてきていました。
そんな健気に努力する姿を見せられて、応援せずにいられるでしょうか。
〇基本的には気弱な少年
デク君は、とてつもない正義感を発揮し、悪い者に対しては勇敢に立ち向かっていきますが、仲間内では基本的には気弱で遠慮がちな少年です。
作中では、昔いじめられていたということもあり、幼馴染の爆豪勝己には、常にビビッていたり、女子に免疫が無さ過ぎて、麗日お茶子と会話をする際にガチガチに緊張していたりという姿が描かれていており、そういった日常の弱いデク君がいるからこそ、私達は感情移入して応援してしまうのだろうなと思います。
〇大いなる力の継承
この作品の肝となるのは、無個性だったデク君が、世界ナンバーワンヒーローのオールマイトから個性の継承を受けるということです。
大いなる力を手にした者は、概ね以下3種類に分かれます。
①オベリスクの巨神兵を手に入れた時の海馬瀬人タイプ(遊戯王)
⇒大いなる力を手にしたことで、気が大きくなり、周囲を虫けらのように扱う人。
②エヴァに乗ることになった碇シンジタイプ(新世紀エヴァンゲリオン)
⇒大いなる力を手にしたことで、怖くなり現実逃避しちゃう人。
③ゴムゴムの実を食べたモンキー・D・ルフィタイプ(ONE PIECE)
⇒何だかよく解らないけど、とにかく強い人。
しかし、デク君はこのどれにも当てはまりません。
自分が受け継いだ力の大きさを十分に理解し、慢心せずにただ努力を続ける男です。
そして、その大いなる力を継承した責任を背負って、強大な敵に立ち向かっていく姿は「帰ってきたドラえもん」の中で、のび太君がジャイアンに立ち向かっていくシーンを彷彿とさせるような、心動かされるものがあります。
以上、デク君の様々な性質を並べてきましたが、決して彼が完璧な人間でないことは解っていただけたかと思います。
自分と同じように完璧でないから、私達は主人公に惹かれ、感情移入するのでしょう。
それでは最後に、何故私がデク君のことを史上最高の主人公であると考えているのかを語って、今回の記述は締めたいと思います。
デク君が史上最高の主人公である理由
物語の主人公は、トラウマ、葛藤、コンプレックス等何かしらネガティブなものを抱えていることが多いかと思います。
主人公が抱えるネガティブな部分が自分と重なっている程、視聴者は感情移入をしやすく、物語に夢中になるものです。
私にとっては、デク君がそういう存在でした。
周囲の皆が普通にできていることが、自分にはできない。
できないからこそ憧れる。
それでも現実に打ちひしがれ、人は諦めるという道を選んでしまいがちです。
私はとにかく対人コミュニケーションが苦手です。
喋り出すとすぐに頭が真っ白になってしまいます。
一時期は、人と関わらなくてもやっていける道を真剣に模索しました。
それでも、周囲の皆と楽しくお喋りすることへの憧れは、心の奥でずっと存在していました。
それでも自分には無理だと、諦めかけていた時に出会った作品が「僕のヒーローアカデミア」でした。
画面の向こうにいるデク君に、私はどうしてこんなにも心を奪われているのだろうか。
最初はわかりませんでしたが、直ぐに気がつきました。
「そうか、デク君は私だ」と。
しかし、それと同時に、デク君は私とは違う。私よりも努力して、現実に立ち向かっているということにも気づくことになります。
私も今のままではダメだ。もう少し頑張ってみよう。
毎度そんな風に思わせてくれる主人公が今までの私の人生にいただろうか。
否、存在しなかった。
だからこそ、私の人生において最高の主人公はデク君なのです。
人それぞれ、抱えているものは違うと思うので、心を動かされる主人公も人それぞれかと思います。
ただ、デク君の抱える悩みや葛藤は、多くの人に共通するのではないかと思っています。
なりたい自分がある中で、前に進む勇気が出ない方
是非ともこの作品を見て、テンションを上げ、一歩踏み出しましょう。
プルス・ウルトラ!
【二次元世界の歩き方】