【作品レビュー】ぼっち・ざ・ろっく!(後編)

 トイレの電気を消し忘れたということで、妻から罵倒される。

 妻もよく消し忘れているため、一方的に罵倒されるのは理不尽極まりない場面ではあるが、不思議と私の気持ちは穏やかだった。

 何故なら、私は罵倒されながらも「ぼっち・ざ・ろっく!」のことを考えていたからだ。

 家庭に平和をもたらすアニメ。

 ありがとう「ぼっち・ざ・ろっく!」。

 ということで、前回に引き続き、このすばらしい作品について語っていきたいと思います。

 よろしくお願いします。

結局どっちがサイコーなの?

 前回の投稿では「ぼっち・ざ・ろっく!」と「けいおん!」、結局どっちがサイコーなの?という論争に終止符を打つべく、各キャラクターを私の独断と偏見で比較し始めましたが、思いの他、長編の記事になってしまいそうだったため、前編と後編に分けて記述しております。

 前回は、ギターボーカル部門で「ぼっち・ざ・ろっく!」の喜多ちゃんと「けいおん!」の唯ちゃんを比較して、僅差で唯ちゃんが勝利するという結果になりましたが、後編ではその他のメンバーも比較していき、その上で私が思う「ぼっち・ざ・ろっく!」の魅力を語っていこうかと思います。

【比較:リードギター部門】

 後藤ひとり(ぼっち・ざ・ろっく!)VS 中野梓(けいおん!)

 メンバー屈指のテクニシャン対決です。

 まったくタイプの違う二人ですが、他のメンバーが特に気をかけている存在であるという点においては共通しているように思います。

 この二人の僕的評価を述べると以下のとおりとなります。

 〇後藤ひとり(ぼっち・ざ・ろっく!)

 可 愛 さ:☆☆★★★

 人 間 性:☆☆★★★

 技   術:☆☆☆☆☆

 人   気:☆☆☆☆★

 カリスマ性:☆☆☆☆★

 計:17pt

 現実世界ではまったく目立たないひとりちゃんですが、ネット世界では「ギターヒーロー」という名でカリスマ的人気を誇っています。

 ネットの中で自分の存在を証明するという世界観は「けいおん!」が放送していた頃はまだメジャーではなかったため、純粋に同じ土俵の上で比較することは難しいですが、それでも実力で他者からの指示を獲得しているということは事実であるため「人気」の部分は星4となっています。

 ただ「可愛さ」「人間性」については、性格がネガティブであるが故に、どうしても他のメンバーと比べると良い部分が見えにくくなってしまいがちなので、それぞれ星2を付けています。

 第2期以降のひとりちゃんに期待です。

 〇中野梓(けいおん!)

 可 愛 さ:☆☆☆☆★

 人 間 性:☆☆☆☆★

 技   術:☆☆☆☆☆

 人   気:☆☆★★★

 カリスマ性:☆☆★★★

 計:17pt

 「放課後ティータイム」唯一の後輩メンバーで、視聴者の中には熱烈なファンも多いあずにゃんですが、ファンの皆様すみません。これはあくまで私の趣味・趣向100%の評価でございますので「可愛さ」では圧倒的主人公である唯ちゃんに負けている。「人間性」では、唯ちゃんの妹の憂ちゃんの前では割とわがままなところもある、という理由から満点ではなく、星4となっています。

 「人気」「カリスマ性」という部分についても、フロント二人のインパクトに比べると、大いに霞んでしまう印象がありますので星2をつけています。

 ということで、リードギター部門については引き分けという結果になりました。

 では次に行きましょう。

【比較:ベース部門】

 山田リョウ(ぼっち・ざ・ろっく!)VS 秋山澪(けいおん!)

 こちらも真逆のタイプの二人です。

 周囲からはどちらもクールでカッコいい女性というイメージを持たれていますが、実のところ二人ともイメージとはかけ離れたキャラクターであるという部分については、共通しているように思います。

 さて、この二人を勝手に比較すると以下のようになります。

 〇山田リョウ(ぼっち・ざ・ろっく!)

 可 愛 さ:☆☆★★★

 人 間 性:☆★★★★

 技   術:☆☆☆☆☆

 人   気:☆☆☆☆★

 カリスマ性:☆☆☆☆★

 合計:16pt

 キャラデザインはとても可愛いのですが、無口であまり性格としての可愛さを感じられる部分が無かったため「可愛さ」は星2となっています。

 そして、人からお金を借りて、なかなか返さないというダメっぷりを見せるシーンが頻繁にあるため「人間性」については星1を付けさせていただきました。

 リョウちゃんファンの方怒らないで。。

 とは言え、結束バンドのカッコいい楽曲の全てを手掛けているというカリスマぶり。そして、喜多ちゃんがリョウちゃんに憧れて結束バンドに加入したということもあり、きっと喜多ちゃんの他にもファンは多いのだろうということが推測されるため「人気」「カリスマ性」は高評価としました。

 〇秋山澪(けいおん!)

 可 愛 さ:☆☆☆☆★

 人 間 性:☆☆☆☆★

 技   術:☆☆☆☆☆

 人   気:☆☆☆☆☆

 カリスマ性:☆☆★★★

 合計:20pt

 ボケ役の同級生メンバー3名に対して、唯一ツッコミ役の立ち位置となるしっかり者の澪ちゃん。

 容姿端麗で男前な言葉遣いをするため、周囲からは「カッコいい」というイメージで持たれていますが、実のところはとても臆病者で、ラブリーなものが大好きな可愛い女の子。その辺のギャップに萌えるファンの方も多いのではないでしょうか。

 学校内にはファンクラブができる程の人気者ですので「人気」については文句なしの星5となっています。

 ベースの技術と歌唱力についてはバンド随一の実力者ですので、技術についても星5となっていますが、カリスマ性でいうと、澪ちゃんが書いた歌詞は背中が痒くなるようなラブリーな歌詞ばかりで「ぼっち・ざ・ろっく!」ひとりちゃんが書いたような、心に突き刺さるような内容ではなく、良くも悪くも普通の女の子が書いた歌詞という印象ですので、ここでは星2をつけさせていただきました。

 ベーシスト対決は大きく差がついて澪ちゃんの勝利となりましたが、リョウちゃんが時たま見せる音楽オタク的側面が私は大好きです。

 第2期ではリョウちゃんのそういった部分が、もっと見られることを期待しています。

【比較:ドラム部門】

 伊地知虹夏(ぼっち・ざ・ろっく!)VS 田井中律(けいおん!)

 元気いっぱい、ドラマー対決。

 バンドを立ち上げたリーダーであり、プライベートも含めベーシストの女房役という部分も共通している二人です。

 似たもの同士の二人を比較するのは難しかったですが、評価は以下のとおりとなります。

〇伊地知虹夏(ぼっち・ざ・ろっく!)

 可 愛 さ:☆☆☆☆☆

 人 間 性:☆☆☆☆☆

 技   術:☆☆☆★★

 人   気:☆☆★★★

 カリスマ性:☆☆★★★

 合計:17pt

 可愛くて優しい結束バンドの姉御役です。

 ライブ当日に逃走した喜多ちゃんを、何も言わず許して再びバンドに加入させたり、ネガティブなぼっちちゃんを励まして前を向かせたり、後輩二人にとっては精神的支えであることは間違いありません。

 ただ演奏技術については、ぼっちちゃんやリョウちゃんには劣るため星3がついています。

 「人気」「カリスマ性」については、どうしてもドラマーはフロントメンバーに比べると黒子的立ち位置となるので致し方が無い部分ではありますが、作中では「人気」「カリスマ性」が示される場面が無かったように思うので、それぞれ星2がついています。

〇田井中律(けいおん!)

 可 愛 さ:☆☆☆★★

 人 間 性:☆☆☆☆★

 技   術:☆☆☆☆★

 人   気:☆☆★★★

 カリスマ性:☆☆★★★

 合計:15pt

 律ちゃんも十二分に可愛いことは解っています。

 しかし、他のメンバーが可愛すぎて、その中で比較した時に、どうしても劣って見えてしまう為「可愛さ」は星3となっています。

 ライブをするのに必要な講堂の使用届を学校に提出し忘れたり、リーダーとしてはズボラなところが目立つ半面、プライベートでは弟の面倒見がよく、家庭的な一面が垣間見える場面等もあった為「人間性」は星4をつけました。

 「技術」でいうと「ぼっち・ざ・ろっく!」虹夏ちゃんとそこまで差はないとは思っているのですが、楽曲を聴き比べた時、難易度としては明らかに放課後ティータイムの楽曲のドラムパートの方がレベルが高いので虹夏ちゃんよりも一つ数の多い星4、「人気」「カリスマ性」は、虹夏ちゃんと同じ理由で、同じ評価となっています。

 ということで、ドラマー対決は虹夏ちゃん勝利という結果となりました。

 因みに、放課後ティータイムには、キーボード担当としてムギちゃんこと琴吹紬ちゃんもいますが、結束バンドにはキーボード担当が存在しないため、キーボード対決は「けいおん!」の不戦勝とさせていただきます。

「ぼっち・ざ・ろっく!」の魅力

 「ぼっち・ざ・ろっく!」VS「けいおん!」のキャラごと対決は、1勝3敗1引分ということで、「ぼっち・ざ・ろっく!」がレジェンド作品「けいおん!」に敗北を喫するという結果に終わりました。

 それじゃあやっぱり「けいおん!」の方がサイコーなの?

 涙交じりの「ぼっち・ざ・ろっく!」ファンの声が聞こえてくるようですが

 大丈夫です。

 私達の「ぼっち・ざ・ろっく」はサイコーの作品です。

 気休めで言っているわけではありません。

 以下の理由から「ぼっち・ざ・ろっく!」がサイコーであると私は考えています。

〇実はジャンルの違う二作品

 同じガールズバンドアニメとして「ぼっち・ざ・ろっく!」と「けいおん!」を比較してきましたが、実はこの二作品はまったく別ジャンルの作品であり、それ故にキャラを個別で比較した時に「けいおん!」に軍配が挙がるのは仕方のないことなのです。

「けいおん!」は、あくまで「音楽」をきっかけに集まった女の子達の日常を描いたストーリーなので、どちらかと言えば「音楽」は付帯要素であり、登場キャラクター達の日常のやりとりがメインの作品です。

 一方「ぼっち・ざ・ろっく!」では「音楽」は目的で、主人公のぼっちちゃんを除くと、基本的にはバンドという集合体にスポットライトが当てられているため、どうしても各キャラクターの印象は「けいおん!」に比べると薄くなってしまいます。

 同じ「音楽」という題材の二作品ですが、音楽に向き合う気持ちは圧倒的に「ぼっち・ざ・ろっく!」のメンバーの方が強く、同じ音楽アニメとして比較するのであれば「BECK」等本格バンドアニメと比較されるべきですし、作品の題材がストーリーの目的となっているという意味で比較されるのであれば「ゆるキャン△」等と比較されるべきです。

 ここまで各キャラクターを比較してきて、今更何を言うのだ、という話なのですが

 「ぼっち・ざ・ろっく!」と「けいおん!」の結局どっちがサイコーなのという論争については、比較対象として同じ土俵の上にいない両者を比較することは、無意味であると言わざるを得ません。

 「ぼっち・ざ・ろっく!」はバンド系青春サクセスストーリーとしてサイコーですし

 「けいおん!」は日常系アニメとしてサイコーです。

 これが私の結論です。

〇とにかく楽曲が素晴らしい

 この作品の楽曲がとにかくカッコいい。

 楽曲の制作に音羽さんやKANA-BOONの谷口さんが携わっていることもあり、アニソンとしてではなく、バンドソングとして聴いても普通にカッコいいです。

 私はアニソンもバンドソングも大好きなのですが、この作品の楽曲は、アニソンな気分の時でも、バンドソングな気分の時でも、どちらでも楽しめる楽曲揃いです。

 最近は毎朝リピートして仕事場に出勤しています。

〇極端だけど共感できる主人公

 誰しも理想と現実の間には、大なり小なりギャップはあるものです。

 ぼっちちゃんの場合、それがとてつもなく大きいのですが、ネガティブな性格ながら、理想に近づくために自分の殻を突き破ろうとするぼっちちゃんの姿に感化されたファンの方も多いのではないでしょうか。

 行動したいけど、動き出せずにいるという方には是非見てほしい作品です。

 長々と語ってきてしまいましたが、私が伝えたかったのは本当は一言だけです。

 「ぼっち・ざ・ろっく!」サイコー

 ありがとうございました。

 【二次元世界の歩き方】

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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